概要
本工法は、専用の取付装置により「消散弁」を設置し、地震時に発生する過剰間隙水圧を瞬時に消散させ、マンホール周辺地盤の液状化を抑え、マンホールの浮上を抑制するものです。
■消散弁
消散弁は、受圧板・ソケット・メッシュ等で構成しています。
地震時に過剰間隙水圧が加わると、受圧板が外れることで水圧を消散させます。
また、消散弁の地盤側は、メッシュ構造になっており、土砂等がマンホール内に流入するのを防止します。
特徴
①液状化現象による既設マンホールの浮上を抑制します。
②スピーディで安全で確実な施工が可能です。
③施工費が経済的です。
④わずかな作業スペースで施工が可能です。
⑤地域住民の生活で交通などへの影響が少ない工法です。
適用範囲(基本性能)
①マンホール形状:円形、矩形、楕円形
②マンホール内寸:円形:内径750~1500mm
③マンホール内径:非円形:最小内寸法900mm・最大内寸法1500mm
④消散弁設置位置:GLより5.00m以内
マンホール浮上のしくみ
地震により、地下水を含んだ砂質地盤に強い揺れが働くことで、砂粒子と砂粒子との間隙に静水圧を超える圧力の発生を「過剰間隙水圧」と言います。この圧力により、砂粒子同士の接合が切れ、砂粒子が水の中を漂う状態を「液状化現象」と言います。この発生により、比重の軽いマンホールの浮上を生起させます。
地震時に発生する過剰間隙水圧により液状化が発生。
比重の小さいマンホールは浮上します。
施工手順(標準施工程)
1. マンホール壁の撤去
専用の削孔機(消散弁取付装置)をマンホール内に設置し、貫通手前まで削孔します。
2. 削孔内のコア撤去
削孔部のコアを除去します。
3. 消散弁の取付け
消散弁を削孔した孔に挿入し、手順01で残した壁が貫通するまで圧入します。最後に消散弁の周囲を仕上げ、開閉蓋を取り付けます。
4. 開閉蓋の取付け
施工実績
■施工都道府県
北海道・東北:北海道・宮城県・山形県
関東:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨木県
甲信越:山梨県・長野県・新潟県
東海・北陸:静岡県・愛知県・岐阜県・三重県・石川県・富山県
近畿:滋賀県・大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県
中国:岡山県・広島県
四国:香川県
九州・沖縄:熊本県・宮崎県・鹿児島県・福岡県、佐賀県・沖縄県
受講賞
- 平成24年 土木学会「技術開開発賞」受賞